2024.09.22
URUH COLLECTION VOL.4
URUH COLLECTION VOL.4では、蝶の「擬態」からインスピレーションを得たコレクションを発表しています。「擬態」という“他のものに姿を似せること”は、自然界では色や形を似せて身を守る行為としてごくありふれた現象ですが、ときに生を短くする犠牲をともないます。同じようにわたしたちの世界においても”同調・順応”することは、自他への「擬態」として心にひずみを生むことがあります。「擬態」という本来の存在を不確かにする、その曖昧さや危うさを、蝶をモチーフとしたジャガード生地や独自のカッティングで表現しています。
コレクションの中でアイコニックなジャガード生地は、シロオビアゲハという「蝶」をモチーフとした2種のハンドイラストを織り上げています。2種の柄色はシロオビアゲハが身を守るために、毒性のあるベニモンアゲハに擬態するときに変色する赤茶を表現しています。
アイテムの一つは蝶を立体的に織り上げた、ストレートスカート。ジャガード生地は、織物名産地・兵庫県西脇の職人技術により、伸縮する糸を組み合わせた生地を圧縮加工し、蝶の柄を浮かび上がらせています。蝶が浮遊したかのような凹凸のある表面感が艶やかで、飾らずとも存在感を放つ独特な表情を魅せています。
もう一つは蝶鳥文様のハンドイラストを織り上げた、ジャガードナロードレス。ジャガード生地は、織物名産地・群馬県桐生の職人技術により、蝶と鳥が飛び交う「蝶鳥文様」を織り上げています。素材は、再生繊維キュプラのほのかな光沢感のある撚糸に、不規則の輪が連なるループ糸を組み合わせ、蝶と鳥がふんわりと浮かび立つ立体的な表情に。柄との境界線は、蝶鳥文様の象徴「異界との結界」を表し、自他とはひとつになれないという「擬態」の真成を重ねています。