2025.03.31
URUH COLLECTION VOL.5
URUH COLLECTION VOL.5では、「侵食」からインスピレーションを得たコレクションを発表しています。「侵食」という現象は、長い時間かけて水や風などの自然の力に影響され、もとの形からゆっくりと姿を変えるという、元には戻らない不可逆的な時間の流れを象徴します。異なるものが移ろいながらも影響しあい、新たな形を生む様子は、自他との交わりのなかで形成されるヒトの”心の動き”に近しいものを感じます。侵食するような“染みわたる心”を、グラデーション染めや天体の重なりをモチーフとしたジャガード生地、透明感のあるシアー素材で表現しています。
コレクションのグラデーション染めシリーズでは、愛知県一宮の職人により魅惑な青紫のグラデーションに染め上げ、天体空間に溶け合う「侵食」を表しています。シルエットの立体感にあわせた微かな滲みをつくることで、自他との交わりが時に揺らぎながら浸透する様子を映しています。
コレクションのなかのアイコニックなジャガード生地は、織物名産地・群馬県桐生の職人により、天体衝突をモチーフとしたハンドイラストを織り上げています。メッシュを模した疑紗織りの技法を用い、天体衝突時の“天体の重なり”を表現。複数の糸を絡ませて組織に空間をつくることで、繊細な透けを現出し、異なるものが交錯することで新たな形を生むという「侵食」の流転を重ねています。